介護現場で「フレイル」という言葉が広く用いられるようになりました。そのため、介護の現場で働く人は、フレイルの多面性についてしっかりと理解をしておく必要があります。
フレイルとは、大きく分けると3つの側面があると言われています。その1つ目が、フィジカルフレイルです。これは、加齢によって体が虚弱体質になってしまっている状態のことです。ですから、高齢者のフィジカルフレイルに気付いたら、要介護になることを予防するために、適度な運動や筋力トレーニングをすすめてあげましょう。フィジカルフレイルは、早期に対処すれば最も改善しやすく、効果が現れやすいため、気がついた時からすぐに何らかの改善策を講じることがポイントです。
それから2つ目は、メンタルフレイルです。これは、認知機能が低下したり、うつ傾向が見られることを指します。こうしたメンタルフレイルは認知症のリスクが高くなり、要介護へと移行するリスクの高い状態です。ですから、レクリエーションに積極的に参加してもらったり、回想法を取り入れたりすることで、メンタルフレイルの予防に務めることが重要です。
そして3つ目が、ソーシャルフレイルです。高齢になると社交性が失われ、部屋に閉じこもりがちになるという自閉傾向が見られるようになる人が少なくありません。しかも、ソーシャルフレイルは、他の2つのフレイルにも影響を与えやすいことから、介護職は、ソーシャルフレイルの与える影響を考慮して、高齢者と接する必要があります。